2011年8月10日水曜日

ホワイトの使い分け

油絵具のホワイトの使い分けについてのお話を。

ホワイトには主要なものが4種類あります。

シルバーホワイト、ジンクホワイト、チタニウムホワイト、パーマネントホワイト

みんな白色だけどどう違うのか?という疑問がわきますね。

それぞれの特長をまとめてみました。

油絵具のホワイトは、他の色彩色と混ぜて明度を上げることにも使われますが、画面を構築する素材としても重要で、どの工程でどのホワイトを使うかを知ることは、表現の幅を広げます。



◆シルバーホワイト◆………………………………

顔料:鉛白(塩基性炭酸鉛)

伝統的なホワイトです。
固着力、堅牢性に優れ、塗り重ねによる油絵具らしいマチエールを生かした描画に適します。
着色力は中程度で、地塗りから混色、白の表現とも用途を選びません。
顔料が鉛化合物なので多少の有害性があります。扱い時に注意が必要です。

◆ジンクホワイト◆…………………………………

顔料:亜鉛華(酸化亜鉛)

調色のためのホワイトです。
地塗りに使用すると剥離します。
ホワイトとして着色力、隠ぺい力は他のホワイトに劣りますが、色彩色と混色した際にできる中間色は濁りがなく他のホワイトよりもきれいです。
経時的堅牢性に欠けますので地塗りへの使用やマチエール作りには危険を生じます。
有害性はありません。

◆チタニウムホワイト◆……………………………

顔料:チタン白(酸化チタン)

最も強いホワイトです。
着色力、隠蔽力に優れ、堅牢性も抜群、また、混色制限もありません。
しかし、白の強さが強すぎることから、混色の際に他の色を食ってしまう「狼色」的性格もあり、画面が白くなりすぎないよう使用量を加減しなくてはなりません。
地塗りから仕上げまで使えます。

◆パーマネントホワイト◆…………………………

顔料:チタン白(酸化チタン)+体質

現代的な万能ホワイトです。
チタニウムホワイトの強すぎる白さを調整し、その堅牢性を受け継いでいます。
混色制限や有害性を気にすることなく、自在に使うことができます。
これ1本で地塗りから混色まで応用できる便利さがあります。
他のホワイトにくらべ、乾燥後の物質感がやや欠けます。

…………………………………………………………


作品制作の際には参考にして下さい。




3 件のコメント:

  1. とっても勉強になりました!

    今後とも、ブログ楽しみにしています。

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  2. ホワイトでも使い用途が色々あるんですね。

    なかなか人に聞けないことをブログで教えて

    もらえるのはいいですね~

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  3. コメントありがとうございます!!返信遅れましてすみません。


    ぷーさん
    おすすめ商品だけでなく今後とも少しずつこんな感じの記事も掲載していきたいと思いますのでどうぞ宜しくお願いします。

    2011年8月12日17:57投稿さん
    そうなんです、特にジンクホワイトについては大分重大な用途ですよね。

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